ネガティブ女でも人生楽しく生きている。

生き方なんて人それぞれだから。

燃えてしまった推しと此度の炎上について

 

7月の終わり、 推しが燃えた。

芥川賞作品の冒頭ではなく、リアルに。推しが炎上した。そう、あの声優さん。不倫した上に未解禁曲のデモを聴かせたとか聴かせてないとか………

 

本当に大好きな方だったので、めちゃくちゃショック。数日経った今も気持ちがまだふわふわしているけれど、こんなに心が掻き乱されることもそうそうないと思うので、ある種の記念に、今思ってることとか諸々記録として残しておくことにした。いつか書こうと思っていた推しの話をこんな形で書くことになろうとは………

出来るだけ整理して書きたいとは思うけど、ぐちゃぐちゃな感情も正直に書きたいと思っているので、不快になってしまったらすみません。

 

 

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そもそも私がその推しのことをどのくらい好きだったかと言うと、それはもう結婚したいほど好きだった。

声優さんだけど、先に好きになったのは歌の方だった。当時見ていたアニメの主題歌を歌われていて、その歌声が印象に残ったのをよく覚えている。歌っているのが声優さんだと知って驚き、色々調べていくうちにのめり込んでいった。

決定的だったのは、友人の誘いで行ったライブだ。そこで私はキスより凄い歌を聞いてしまい、完全に落ちた。完膚なきまでに。生歌はあまりにも良すぎた。重厚感がありつつ少しハスキーな低音、優しく、時に切なく響く高音、想いを詰め込むように必死に歌う姿、その迫力………すべてに圧倒された。このライブのBlu-rayは迷わず買ったし、そのあと繰り返し見ては何度も泣いた。

それまでの私は所謂在宅オタクで、現場に行くことにあまり執着していなかったのだが、件のライブ以降、現場に行かずにはいられなくなった。あの人の生の声をもっと聴きたいと思うようになってしまった。怖いと思っていたライブハウスにだって足を踏み入れたし、一人で遠征にだって行った。行ってみたら、ライブハウスは思ったより怖くなかったし、遠征は一人でも寂しくなかった。推しに会えるという高揚感が勝った。何より、自分にこんな行動力があったことに驚いた。推しがいなかったら、私はこんなにアクティブじゃなかったと思う。翌日筋肉痛になるほど飛んだり跳ねたり頭振ったり、声が枯れそうになるほど大きな声を出したり、そんなこと自分がするなんて、思ってもみなかった。

文字通り、推しは私の人生を変えた。推しのおかげで、人生が色づいた。人生が180度変わったと言っても過言ではない。推しは偉大だ。推しの声を聴くだけでドキドキしたし、推しのことを考えているだけで幸せだったし、推しが夢に出てきた時には起きた瞬間夢であることに絶望した。

 

数年前のある日、私は、推しと結婚するためにはどうすれば良いか真剣に考えた。誤解のないように言っておくが、本当に推しと結婚できると思っていたわけではない。ちょっと激しめに拗らせた夢女の暇つぶしと思ってもらえれば良い。妄想はタダなのだ。(自分が痛い女なのは重々承知している。)

で、まぁ色々考えて、アニソン歌手が可能性高いのでは?というところまで至って、あの歌手みたいになれば良いかな?!なんてウキウキして、そういえばあの人どこの事務所だっけ?と調べていったら、そちら経由で推しの熱愛を知った。そう、私が調べようとしていた歌手と推しは既に付き合っていたのだ。界隈では既に知れた話のようだったが、私はそういったスキャンダルを見るのが怖くて推しのお仕事以外の情報は極力調べないようにしていたので、まったく知らなかった。まだ結婚の気配はなかったものの、既に2人ともいい歳だったし、いつご結婚されてもおかしくないだろうということは悟った。

推しの熱愛を知ってから私は1週間ほど調子が悪くなったし、相手の方の曲は大好きだったのに聴けなくなった。でも少し時間が経ち冷静になってくると、私の目指していた「推し好みの女」の方向性は間違っていなかったということか!と、自分の推しに関する分析能力について妙な自信をつけていた。我ながら幸せな頭だなと思う。

 

そして1年半ほど前、推しはついに結婚した。ニュース記事を読んだ時、手の震えが止まらなかった。そりゃ、本当に結婚できると思ってそういう目で推しを見てきたわけではなかったけれど、熱愛の時点である程度の覚悟はしていたつもりだけど、すぐには事態を飲み込めなくて。ファンとして祝福しなきゃ、推しの幸せは私の幸せ、頭ではそう思っているのに、心が全然ついていかなかった。これが噂に聞く”ロス”……!!”ロス”をまだ経験していない諸君、”ロス”というのは想像以上にダメージがあるということだけ覚えておいてほしい。

SNSで表面的に「おめでとうございます!お幸せに!」と言っている自分が本当に嫌だったのだけれど、友人にやけ酒付き合ってもらったり、日記に本音をしたためたりして、少しずつ気持ちを整理していった。

気持ちが落ち着き始めると、ある時からむしろ「好き」に拍車がかかった。結婚前は「これ以上好きになったら本当に痛いガチ恋になってしまう…本気で付き合いたくなってしまう…!」と、感情をセーブするところもあったのが、推しが結婚したことにより、どんなに好きになっても絶対に結婚できないから、安心して好きになれるという。この面倒な感情を共感してもらえるかはよく分からないけど、まぁとにかく推しの結婚後、より一層推しのことが好きになっていったということだけ伝われば良い。(ついでに言うと、奥様のことも結婚後により好きになった。アルバムも買ったし、めちゃくちゃよく聴いている。気付けば鼻歌は奥様の楽曲ばかりだ。)

色々あったけど、二人には幸せになってもらわないと、じゃないと私が浮かばれない…!ので、二人のことはこれまで以上に応援していこうと決めた。心から二人の幸せを願えるようになった。私は”ロス”を乗り越えたのだ。

 

 

そこに今回の報道である。推しを中心に世界が回っていた私はもうパニックである。

本人や事務所からの説明が何もないので、某週刊誌の話がどこまで本当なのか定かではないが、もし事実無根な内容だったのであればすぐにでも訴えているだろうから、何もないということは…と思わざるを得ない。そしてこのブログを書いている最中に活動休止というニュースまで飛び込んできた。なんということだ。

 

SNS上は、案の定大炎上。正直なところ、私はそれらをあまり見れていない。推しに対する誹謗中傷、推しや推しの奥様が関わった作品を絡めて面白おかしく揶揄するような言葉の数々(作品絡めるのは推し云々関係なくただただ酷いと思う)……少し覗いただけで胸が押しつぶされるような思いだった。当人たちの負う傷はこんなもんじゃ済まないだろう。それを思うと余計に悲しくなった。

そりゃ私だって、週刊誌の内容が本当なら推しのことを許すことはできない。失望というか、裏切られた気持ちというか、とにかくショックは大きい。でも、それとこれとは話が別なのだ。大好きだった推しがバッシングされているのは理由が何であれやはり耐えられない。

 

今回の炎上に関しては、不倫そのものについてよりも未公開楽曲の音源を聴かせてしまったことの方が重いと思うのだが、果たして推しは本当にそんなことしてしまったのだろうか。個人的な印象として、とても推しがそんなことをするようには思えない。

以前、推しがライブ前に腕を骨折して、三角巾で吊った状態で出演したことがある。本来予定していたパフォーマンスが出来なくなったことに心を痛め何度も頭を下げる姿が、怪我以上に痛々しくて涙が出た。私からすれば、そんな状態でもステージに立ってくれたことに感謝だし、そんな状態でもキャラクターを背負ってステージに立つ姿は本当にカッコよかった。確かにそこにはそのキャラクターがいた。きっと、そのキャラクターだって骨折しようが何だろうがステージに立っただろうなと思う。推しはそれを体現してくれていた。この時私は改めて、推しはキャラクターやお仕事に誠実に向き合ってくれる人だと思って、この人の演技や作品は信頼できると思った。何があっても、私が大好きなあのキャラクターやこのキャラクターに、大好きな声を吹き込んでくれると。

そんなこともあって、私はどうしても今回の件は信じられない。これまで私が信じてきた推しは全て嘘だったのか。ライブの時の言葉や、インタビューで答えてたあの言葉や、ブログに綴られていたあの言葉は、全部全部嘘だったのか。擁護でもなんでもなく、ただ信じられない。裏切られた!という気持ちと、嘘であってほしい…!という気持ちがぐるぐるぐるぐる渦巻いている。報道の内容が、嘘なら嘘だと言って欲しいし、本当ならどういうことなのか釈明なり謝罪なりとにかく説明が欲しい。まぁ、活動休止になってしまって、それも叶わなくなったのだが。(説明なく活動休止というのも推しらしくないなと思っているのだが、これについて語るとますます長くなるので割愛。)

 

もう一つ思うのは、炎上そのものに関して。今回に限らず、炎上するときって必要以上に燃えてるなぁって、いつも思う。そりゃ糾弾されるようなことをする方が悪いというのも分かるのだが、その人の心や人生をぶっ壊すほど叩くのは違うのではないかと。なんというか、その「出来事」を皮切りに、当人の人間性を全否定していく感じが、凄く怖い。

一度やらかしてしまうと、そういう奴だというレッテルが貼られてしまったりそういう目で見られてしまったりするし、ある程度は仕方ないと思うけど、挽回の機会は与えられて然るべきだろう。なのにそれすら出来ない状況に追い込むような流れがあるのはちょっと解せない。あと、こういう時って全然関係ない方面からの射撃とか出てくるけど、それも嫌。今回の場合だと、相手の女の服がダサイとか。そこもう関係ないじゃん。

 

 

週刊誌の内容が事実だとしたら、私はやっぱり推しのやったことを許すことは出来ない。出来ないけど、推しのことを嫌いにはなれない。だって推しがもたらしてくれたワクワクやドキドキは本物だから。推しが幸せをくれたのは本当だから。手のひら返して最低だ!って罵ることは私には出来ない。どんなに許せなくても、やっぱり復活を待ってしまう。だって推しだったんだもの。推しに代わりなんていないんだよ。

事のあらましを話してもらって、謝るとこ謝ってもらったら『いい大人が何やってんだよ。これから挽回大変だけど頑張って。応援してるよ。』って、言えるのに。

再起の機会を与えるためにも、やっぱり説明してほしいと思う。活動再開の際にはちゃんと説明してくれることを願うばかりだ。

 

まだまだ言葉にし切れていない気持ちも胸の内ではぐるぐるしているが、収拾がつかないのでこの辺で。

最後に、今回のことに対して様々な意見・見方があることは承知している。くどいようだが、ここに書いたことはあくまで私個人が感じていることであって、誰かに考えを押し付けるものではない。こういう風に感じているファンもいるんだなーと思ってくれればいいし、痛いなーと笑ってもらっても構わないと思っている。私と同じような考えの人がいたらそれはそれで嬉しい。

 

 

今度推しのことを書く時には、少しは明るい話ができますように。