ネガティブ女でも人生楽しく生きている。

生き方なんて人それぞれだから。

心臓は握り潰さず 握っているという選択

昨年11月に発売された、LiSAのアルバム『LANDER』。

10周年を経て新たな一歩を踏み出す、そんな覚悟や意気込みが感じられるアルバムだ。

 

その中に収録されている『悪女のオキテ』について、少し語りたい。

(本当は一曲一曲語ろうと思っていたのですが、『悪女のオキテ』への思いが強すぎて思ったより長くなってしまったので、この曲だけにしました。)

 

 

この楽曲は、LiSAさんがアルバム楽曲をつくり終えた際に「まだ吐き出し切れてないな」と思って追加で作られたそう。

さまざまな思いを込めに込めてつくられたこのアルバムで、吐き出し切れていない気持ちとは一体何だろうと思い聞いてみると、なるほど、これは確かに吐き出し切れていない。

 

「ピー…ガガガ…」というノイズから始まるイントロ、そして出だしの歌詞2フレーズ。

「あぁね 弱いオチだわ 涙の釈明 落ちないファンデ」

「なんで被害者様?戦の庭においでませ」

ここまでで私は「あの件(※)」か……と察した。「おいでませ」がハイパーキュートボイスなのがまた怖い。

 

※この楽曲の背景について、コレについて描いたと明言されているわけではありません。聴く人それぞれの解釈で聴いて良いと思います。私は、私が当ブログに何度か書いている“推し”の件であると解釈しました。以降、その解釈を前提に展開します。

 

 

楽曲というカタチで思いを吐き出すのは、流石アーティストだなと思うし、そうやって私たちファンの目に見えるカタチで示してくれてうれしく思う。少なくとも私はうれしかった。

アルバム発売後のインタビューの中でLiSAさんが「気持ちを音楽にして遊ぶことで、イヤだったこともスッキリする」という内容のことを話していて、なるほど、それで曲をつくったのかと納得した。

 

 

今まで、「あの件」に関して全然言及しないなぁと気にはなっていた。ただ、LiSAさんがネガティブな発信をするイメージが微塵も湧かないから、あえて言わないんだと理解する自分もいて。

家庭内の問題に他人が口を出すものではないとは思うけど、心配なことは心配だった。いつだって元気をくれるLiSAさんが大好きだけど、負の感情を押し殺してポジティブを発信しているのだとしたら、それは苦しいな……と、ファンの一人として思ってしまったり。

 

たとえファンであろうと何だろうと、一ファンの私は「あの件」に関して完全に部外者で、思い悩んだり怒ったり悲しんだりするような立場ではないと思うけど、それでも、この曲で私は救われた。

本人が怒っていないのに怒るのは違うとか、本人が何も言っていないのに外野がとやかく言うのは違うとか、頭では理解しつつも気持ちに蓋をして我慢している部分もあり、ファンなりにモヤモヤしていたのが、作品として、彼女が何を感じ、どう消化し、昇華していくのか、強気なサウンドと、感情爆発の歌声とで提示されたことによって、「LiSAがこう言うのだから」と、私なりの指針ができた。私は、LiSAさんの受け入れ方、乗り越え方、進み方を尊重したい。

 

この曲の最後

「心臓は握り潰さず 握っててあげる」

私はこの一節がとても好きだ。

怒りにまかせて握りつぶすのは簡単かもしれないけれど、あえてそうはせずに握っておく。その意図とか、どういう気持ちなのか、想像が膨らまないか。その余韻が不穏で、最高にカッコイイ。

 

 

余談だが、カラオケでこの曲を歌ったら採点機能AIから「思いが先走っています」と評された。これはもう仕方がないだろう。たぶん直らない。

 

 

そんなこんなで、この『悪女のオキテ』が収録されたアルバム『LANDER』を連れてくるであろう次のライブは絶対に行きたいなぁ……と思っていたら!なんと当選……!なんたる幸運!運命!神が私に味方している…!(筆者は無宗教

筆者はサッカーファンでもあるので、FIFAワールドカップのイメージソングとなっていた『一斉ノ喝采』が聴けるのもうれしい。

 

ライブで一緒に発散するのが今からとても楽しみだ。

 

 

(参考)WEBザ・テレビジョン「より強く、より熱く、より豊かな音楽に。アルバム制作を経て見えたこと――LiSA『LANDER』インタビュー」

https://thetv.jp/news/detail/1111765/