推しがいる人の多くは、チケット販売サイトを利用したことがあるのではないだろうか。イベントやコンサート、ライブのチケット購入、あるいは抽選申込をするのに欠かせないツールだ。
そして、このチケット販売サイト、ところによっては一度購入したものに出演していた方をお気に入り登録できたりして、登録しておくと出演情報などをメルマガで教えてもらえるサービスがあったりする。
さて、私もそんなチケット販売サイトを利用しているのだが、今回は、先日、件の推し※の情報が届いた時の話をしたいと思う。
※推しについては過去記事を参照のこと
届いたのは、とあるアニメの第2シーズン制作にあたっての舞台挨拶の情報だった。
私は心の中で「あ、そうなんだ」と思って、メールの画面を閉じた。
閉じてから少し間を置いて、自分自身にショックを受けた。
推しに対して、以前ほどの熱い感情がなくなってしまったことを自覚したからだ。
あんなに推してて、結婚した時はロスになって、燃えた時はかき乱されたのに。燃えてしばらくしても、嫌いになれたら楽なのに、好きだった気持ちが忘れられなくて辛いとか思ったし、そんなやや重めの少女マンガに出てくる女の子が抱いているような感情が自分にあったのかと驚いたりもした。ちょっと落ち着いてから当時のブログや、書き殴った日記とかを見返すと、あまりのクソデカ感情にすごく恥ずかしくなる。
色々なことがあったけど、推しの人間性はともかくとして、推しの仕事(作品)は好きだから、やっぱりまた見たいなと思う。けれど、あの頃のような震えるほどの熱い気持ちは、もう戻ってこないのかもしれない。そう思ったら悲しくなった。
推しを推していた時が、私のこれまでの人生で一番狂ってて、最高に活き活きしていたと言っても過言ではない。
100年の恋も冷めた!というくらい、ある時点でスパッと感情を切り替えられていたらこんな風にはならなかったと思うのだが、時の流れの中で自分がいつの間にか変わってしまったことに、少し、動揺する。
人の心というのはそんなものなのか……。そういうものなのか……。
推しが燃えたのが2年前なので、私がこの状態になるまで丸2年かかったということになる。これは長いのか、短いのか……どうなんだろう。
私生活ではこの2年で色んなことがあった。生活スタイル、仕事のやり方、見るアニメ、読む漫画・小説、出かける場所、好みの服……たくさんの変化があった。世の中だってこの2年で色んなことが変わった。そう思うと、目まぐるしく変わる世界の中で、変わるのに2年っていうのはかなりかかっているように思うし、自分が自覚している以上に大きな感情だったのだろう。
それでもいつかは変わっていく。
「時間が解決してくれる」とはよく言ったものだ。
私はいつの間にか、ちゃんと前を向いて歩き出していたのかもしれない。
(余談)
私が以前読書レビュー(と言えるのか?)を書いた『推し、燃ゆ』の文庫版が発売と相成った。推しが燃えたファンの感情を知りたい方にぜひ読んでほしい。
『推し、燃ゆ』の話はこちらから→「推しが燃えた私が『推し、燃ゆ』を語る」